40代 健康

Life in the future

40代からの体の悩み
HOMEBLOGShopping
vol.2 大人のアトピー性皮膚炎の特徴
vol.3 アレルギー反応の理解
vol.4 皮膚のバリア機能
vol.5 アレルゲン以外のアレルギー反応
vol.6 気をつけなければならない合併症
vol.7 アトピーで皮膚科を受診するとき
vol.8 治療方針を知って薬を使い分ける
vol.9 ステロイド外用薬について
vol.10 ステロイドの副作用について
vol.11 タクロリムス軟膏とは
vol.13 保湿のポイント
vol.14 飲み薬は使い分けが大事
vol.15 スキンケア
vol.16 衣服、寝具の注意
vol.17 掃除と洗濯の仕方
vol.18 アトピー性皮膚炎と食事
vol.19 不眠対策
vol.20 かゆくなったらどうするか
vol.21 悪化要因のチェックリスト1
vol.22 悪化要因のチェックリスト2
vol.23 用語解説
vol.24 用語解説2
vol.25 アトピーに関するQ & A 1
vol.26 アトピーに関するQ & A 2
vol.27 私のアトピー日記
日本漢方紫雲膏 30g
「神仙太乙膏」21g
亜鉛華軟膏 50g
新ピフォニー軟膏 20g
オイラックスA 30g

脱ステロイド

脱ステロイドの2つの意味

脱ステロイド

脱ステロイドには2つの意味があります。ひとつは、薬物として外用された化学物質としてのステロイドが皮膚から除去されること、もうひとつはステロイド外用により生じた種々の調節機構の撹乱(外用ステロイドの影響)がもとに戻ることである。薬物として外用されたステロイドがヒトの皮膚からどのようなスピードで除去されるかを詳しく検討した研究はない。ネズミでの実験では、前者は短期間に終了すると思われる。ネズミの皮膚に外用されたステロイドは4日後に約10%が残っている。4日で10分の1の濃度になることを前提に計算すれば、8日で1%、12日で0.1%、16日で0.01%、20日で0.001%になる。外用直後のステロイドの濃度が血中コーチゾールの約100倍であるが、デルモベートを外用していたとしても(ちなみに、最強の外用ステロイドであるデルモベートはコーチゾールの1.000倍の強さがあるので、デルモベートを外用すれば、皮膚局所でのステロイドの強さは血中コーチゾールの10万倍〔100×1000=100,000〕という途方もない値となる)、20日でほぼ血中と同じ程度の強さのステロイドが残るだけとなる。皮膚や血液にはステロイドを不活化する酵素があるので、長くみて20日で薬理作用のある外用ステロイドの化学物質はなくなると考えられる。もちろん、不活化されたステロイドが多少代謝を受け、細胞壁などに残ることはあるが、ステロイド作用のないものであり、まったく問題にならない。

このように、物質としてのステロイドは皮膚や体内から約1カ月で排出されると考えられる。調節機構の撹乱(外用ステロイドの影響)からの完全な離脱時期や状態の特定は難しい。その理由は、第一に、保湿を続けている限り撹乱(外用ステロイドの影響)が残っていると考えられるからである。保湿を続けている場合、ステロイドのどの影響がどの程度皮膚に残っているかはまったく分っていない。第二に、ステロイド外用による調節機構撹乱の回復速度が予測できないためである。保湿を中止し皮膚が安定していても、離脱からあまり経っていない時期では、軽い肉体的あるいは精神的ストレスで皮膚は悪化する。時間が経てばストレスの程度が強くなっても皮膚は悪化しにくくなり、また悪化しても悪化の程度は軽くなる。ステロイド離脱後の抵抗力の改善について、ステロイドで低下したストレスへの抵抗力がどの程度戻っているか、どのようなスピードで抵抗力が回復するかは分かっていない。人により大きなバラツキがあるようである。第三に、皮膚を悪化させるストレス強度の評価も難しい。第四に、アトピー性皮膚炎の自然治癒速度(本来のアトピー性皮膚炎の活動性の低下速度)が不明であるためである。しかし、長期にわたって皮疹悪化を見ない人が徐々に増加していることは、ステロイドによる抑制機構の撹乱も完全にもとに戻りうることを示している。調節機構の撹乱が完全にもとに戻った状態が2つ目の意味の脱ステロイドであり、第一の意味の脱ステロイドより長期間が必要である。

脱ステロイドの方法

(1)2つの脱ステロイド法
脱ステロイドの方法には、一気に中止する方法(一気法)と徐々に中止する方法(漸減法)がある。一気に中止する方法については説明の必要はない。この場合、脱保湿を同時に行うか、一時的に保湿を行うかな決める必要がある。第二の徐々に中止する方法は、ステロイドを長期にわたって使用すべきでないと思っている医師の普通の中止方法で、これで再発なく中止できれば大変楽である。小児や脱ステロイドを希望する妊婦にはこの方法を取るべきである。徐々に中止する方法には、外用間隔の延長(毎日1回から隔日1回に、さらに数日に1回など)、単位面積あたりの外用量の減少(同じ皮膚の広さに対して外用する量を減少させること)、外用面積の減少(赤みの強いところだけに外用)がある。ステロイドの強さを弱くする方法(例えば、ランクの低いステロイドを使用する、あるいはワセリンなどを混ぜて薄める)もあるが、経験的には強さについては変えないほうが減量しているかどうかが分かりやすい。徐々に外用を減らしている途中で、あるところまでくると(例えば、3日に1度外用)離脱症状が出現しはじめ、それより徐々に外用を減量するのが困難となる。この段階になれば、その状態でステロイドをつけ続けるか、外用を中止するかを決める時期であり、外用を中止した場合、入院が必要なことが多い。一気に外用を中止した場合も入院する必要のある人はかなり多いらしいです。

(2)脱保湿先行がより楽
最近言われ始めていることであるが、脱ステロイドより脱保湿を先行させるほうが楽にステロイド離脱ができるようである。ステロイドであれ保湿剤であれ、多くの人は入浴後、体が乾かないうちに直ちに外用する。これを入浴後、1時間でも2時間でも、あるいは30分でも塗らずに我慢し、皮膚を空気にさらすようにした後に外用する。例えば、2時間待てば、1日のうち12分の1は保湿をしていない期間ができるということになる。入浴後睡眠直前に外用するところまで間隔が延びれば、次は入浴後翌日まで待つことになる。次の段階は隔日外用である。ステロイド外用と保湿剤外用を別の時間に行っている人は、まず保湿を中止し、ステロイド外用は続ける。保湿を中止すれば、次はステロイドを上記ように中止する。入浴後、外用までの時間を変えればその時間を1週間は続ける。次の段階も1週間続ける。このように、1週間ごとに外用時間を変更する。入浴後30分、1時間、2時間と遅らせると、これで3週間必要となる。

(3)小児、妊婦、接客業者など
小児では徐々に中止する方法で離脱することがより苦痛が少ない。小児の場合、何かを外用してもらっているということだけで軽みから逃れられる可能性があるので、脱保湿を先行させることがよいかどうかは慎重に判断する必要がある。脱ステロイドをして、保湿を続ける方法が最も受け入れられやすい。妊婦には脱ステロイドはあまり勧めない。脱ステロイド中の内分泌の異常が胎児にどのような影響を与えるか不明であるからである(もちろん、ステロイド外用が胎児に影響を与えていないことを保証するものではない)。しかし、すでにはじめてしまった場合には、より緩徐な離脱を行うべきである。受験前の学生は脱ステロイド時期を合格後まで遅らすべき、と考える。営業職などの社会人で接客の多い場合は顔・手への外用は続け、まず服で隠れた部分の脱ステロイド・脱保湿を行い、その後に顔・手の露出部分に移るのが受け入れられやすい(この方法には別の利点がある。服で隠れたところで離脱ができれば自信がつき、顔への外用を中止するときに安心感がある。ただし、顔の離脱をするときには隠れた部分の悪化はある)。季節的には秋から初春までが楽でしょう。

Copyright (C) ~ Life in the future ~ 40代からの体の悩み All Rights Reserved.