高血圧 - その他の生活対策
■禁煙
ニコチンは、血管を収縮させて血圧を上昇させます。また喫煙時には血液中の酸素が減少するため、その分全身に供給される血液量が増え、これも血圧上昇の一因となります。喫煙は動脈硬化を促進したり、血栓(血のかたまり)をできやすくすることも知られており、高血圧の人にとって非常に有害です(合併症がある人はとくに危険)。必ず禁煙してください。
■ストレス対策
ストレスが高まると、興奮性ホルモン(ノルアドレナリン)の分泌量が増え、血圧上昇の一因になります。実際に、少し緊張しただけでも血圧が上昇しますし、慢性のストレスを解消して血圧が正常に戻った例もあります。ストレスを受けやすいのは、「責任感が強い・きちょうめん・せっかち・攻撃的」などの性格と言われていますが、ストレスがたまりやすいタイプなら、腹式呼吸やヨーガ、自律訓練法などのリラックス法も覚えて、気分転換・ストレス解消に努めましょう。
■入浴対策
冬の入浴では、まず服を脱ぐと血圧が上がり、最初に浴槽に入ったときに最高になります。浴槽で体が温まると血管が拡張し、血圧は次第に下がりますが、湯から出ると再び上ります。冬は、脱衣場と洗い場、浴槽の温度差が開くため血圧の変動幅が大きく高血庄の人は悪影響を受けます(入浴中に倒れる事故も多い)。ですから、冬の入浴時には、脱衣場と洗い場を小型暖房器であらかじめ暖め、浴槽のお湯の温度も多少低くして、温度差を小さくすることが大切です。お湯に入っている時間は長すぎないようにして、1回5~6分、2回合計で10~20分程度でよいでしょう(子どもや孫といっしょに入らずに、ひとりで落ち着いて入浴することも大切)。
▼入浴対策のポイント
1.入浴前に脱衣場と洗い場を暖房機で20℃程度に暖めておく。
2.お湯の温度は39~40℃程度がよい。
3.足にぬるめのお湯をかけてから浴槽につかる。
4.浴槽につかるのは、1回5~6分にして、2回までにする。
5.深い浴槽には腰掛けを入れて座る。
6.子供や孫との入浴は避ける。
7.上がり場に冷水を用いない。
8.入浴後は湯冷めに注意し、早めに床に入る。
■寒冷対策
寒冷は高血圧の大敵で、体表面に近い毛細血管を収縮させて、血圧を上昇させます。「0℃の水に1~2分手をひたすと、血庄が急激に大幅に上昇する」という報告もあります。冬の洗面や炊事、洗濯などには温水を使い、暖房は部屋全体を暖めてください(屋内でも冷えた場所に移動するときは保温性のよい衣服を着用)。日本では、高血圧の人が寒い夜にトイレに起きて倒れるケースも見られるので、冬の深夜はトイレを早めにすませ、夜中に起きるのを避けたほうがよいでしょう(高齢者は寝室にしぴんを用意するとよい)。外出時には十分な重ね着をして、頭や顔、首、手、足などの冷えやすい部分はできるだけ防寒具でおおうなど、防寒対策を万全にしてください。
▼寒冷対策のポイントは?
1.洗面・炊事・洗湛・掃除などに冷水を用いない。
2.部屋全体を暖める暖房にする。
3.カーテンやカーペットなどで、室内の保温性を高める。
4.廊下やトイレ、台所、ふろ場などの温度が低い場所に移動するときは、保温性の高い衣服を着用する。
5.夜中のトイレは避ける(室内にしぴんを用意しておく)。
6.外出時は、肌の露出部を防寒具でおおい、十分重ね着をする。
■性生活の対策
夫婦でセックスをすると、40歳以下の場合はオルガスムスのときに最大血圧と脈拍が急激に上昇します。ただし、結婚生活の長い50代の夫婦では血圧変動がそれより小さくなるため、中年以降の世代で比較的軽症の高血圧なら、夫婦間のセックスをとくにひかえる必要はありません。なお、脳卒中や心臓病の発作で「腹上死」したケースでは、大部分が妻や夫以外の相手となっています。つまり、高血圧で動脈硬化が進行している場合は、刺激の強いセックスが"命取り″になることもあるわけです。
■排尿・排便対策
排尿をがまんすると、血圧が上がります。尿意をもよおしたら、すぐ排尿するように心がけてください。便秘ぎみで、排便時に力み過ぎるのも高血圧の人には危険です。規則的な食事と排便の習慣をつけて、便秘を予防することが大切です。ふだんから梗秘ぎみの人は、お医者など)を処方してもらいましょう。
■その他の対策
通勤であわてるのも血圧に悪いので、時間的な余裕を持って通勤してください(車による通勤は緊張とストレスを高め、血圧を上昇させやすい)。職場ではときどき気分転換をしてストレスを軽減させ、残業はできるだけ少なめにします。夜のつきあいやアルコールも極力減らし、夜ふかしせずに十分睡眠をとることが大切です。休日には、ゴロンと横になっていることも必要です。寝た姿勢をとると、血圧は下がります。静かな音楽なども、血圧によい影響を与えます。
高血圧は自己管理が欠かせない
家庭療法を長続きさせるには…
食事療法、運動療法その他の生活対策や、降圧剤の効果を高めるためには、上手に自己管理を行う必要があります。
服薬の自己管理
降圧剤の"のみ忘れ″を防ぐのも重要な自己管理ですが、「降圧剤が必要なのに指示通りのんでいない人は半数程度に達し、その場合は、きちんとのんだ人の2・5倍の高率で合併症が発生する」と報告されています。のみ忘れをしにくい時間帯は、夕食後か就寝前です。服薬の重要性をよく理解し、自分がのみやすい時間帯や方法を考えて医師と相談してのむ時間を後でなくてもかまわない)。
食事・運動療法の自己管理
食事療法や運動療法はいやにならずに続けることが大切で、そのための自己管理が欠かせません。とくに食事療法の厳しい塩分制限などは、工夫をしないと長続きしません。食事療法のコツはあとで詳しくご説明します。運動療法も途中でいやになることがありますが、そのようなときは運動が必要な理由、運動で期待できる効果を再確認することが大切です。毎日血圧や体重を測定して効果を確かめたり、家族や友人といっしょに運動を続けるのも、長続きさせるコツです。
家庭の体重測定
家庭での体重測定は、食事療法や運動療法の効果を確認するうえで重要です。この場合、成人の体重は1日300~500gは変動するので、少々の増減を気にし過ぎず、1~3カ月程度の幅でじっくり観察してください。風呂上がりなど、自分が最も測りやすい時間と場所を選び、同じ条件で毎日測定するのが基本です。なお、腎臓障害や心不全がある人は、毎日のむくみ(浮腫ふしゅ)の状態が病状の目安になります。そのため、体内の水分量を厳密に管理する必要があり、毎朝のトイレ後に体重を測定し、むくみの程度を数量的に把超します(病院で詳しい測定法を教わって行う)。
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