高血圧 - 高血圧に良い果物、豆や芋
大豆食品やいも類の貴重な働きとは?
大豆の不飽和脂肪酸がよく効く
豆類にはいろいろな種類があり、栄養内容も違いますが、黄も重要なのは大豆と大豆製品で、植物性たんぱくや不飽和脂肪酸の補給源になります。またビタミンやミネラル、食物繊維なども含まれています。
■大豆
たんぱく質が30~40%と多いうえ、重要な必須アミノ酸を豊富に含むため、「畑の肉」と呼ばれます(たんばく質の主要成分のグロブリンには、血管の弾力性を高める働きがある)。脂質もリノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸やレシチンを含んでいるほか、有害な酸化を抑えるビタミンEや大豆サポニンなども含み、これらが動脈硬化も防ぎます。またビタミンB1や臨、カルシウム、カリウム、鉄、リンなども含まれています。
■納豆
納豆菌の増殖で消化酵素が分泌されるため、消化吸収がよくなり、ビタミンB2やB6も多くなります。ナットウキナーゼという酵素には、血管を高まらせる血栓を防ぐ作用や杭がん作用があります。それに加えて食物繊維も豊富です。
■豆腐
良質なたんぱく質、リノール酸、カルシウム、カリウム、ビタミンB1やEに富み、老化防止や動脈硬化の予防効果が得られて低エネルギーです。大豆オリゴ糖も含まれており、腸の働きを活性化します。消化吸収がよいので、疲れている人や胃腸の弱い人、高齢者でも安心して食べられます。
「カリウムの王様」に注目
一方、いも類にも、お勧めの食材がたくさんあります。いも類の栄養成分は糖質が主体ですが、でんぷんが多いので、穀類と同様にエネルギー源として最適です。ほかにもビタミンCやカリウム、食物繊維がたくさん含まれています。
■さつまいも
みかんなみにビタミンCが多いうえ、熱に強く、加熱後も60%が残ります。濃い黄色の身にはカロチンも多く、ビタミンEも含まれているので、有害な過酸化脂質ができるのを防ぎ、食物繊維のセルロースは肥満や便秘の予防になります。カリウムも多く、高血圧の予防や改善に有効です。
■じゃがいも
「カリウムの王様」と言われるほどカリウムが多く、過剰なナトリウムを排泄します。さつまいもと同様熱に強いビタミンCやB1、パントテン酸、たんぱく質、食物繊維もあるうえ、意外と低カロリーのすぐれた食品です。
■さといも
特有の粘りけは、ガラクタン(糖質とたんぱく質の複合体)と食物繊維のムチンによるもので、血圧やコレステロールを下げる働きがあります。またカリウムが多いほか、ビタミンB1などもかなり含まれており、高血圧の改善や肝臓の強化、滋養強壮などの効果が期待できます。
果物や種実でお勧めのものは?
重要成分が多い果物を上手に食べる
果物類や種実類も、貴重な成分を含んでいるものが少なくありません。果物類は甘い糖(果糖、ブドウ糖)も多く、食べ過ぎると肥満や胃腸の機能低下を招く恐れもありますが、ビタミンCや食物繊維のペクチン、カリウムなどをたくさん含んでいます。それに加えて、ビタミンB1やカロチン(黄色い果物に多い)もあるので、上手に食べれば、高血圧や動脈硬化の予防・改善効果が得られます。一方、種実類は脂質とたんぱく質が主体ですが、脂質はリノール酸をはじめとする不飽和脂肪酸を多く含んでいます。ほかにもビタミンIEやカルシウム、マグネシウムをかなり含むので、ミネラル類の補給源にもなります。
■りんご
カリウムを多く含むりんごは高血圧に有効りんごに豊富に含まれるカリウムには、血圧を下げる作用があります。それはカリウムに、高血圧の原因の一つとなる、余分なナトリウム(塩分)を体外へ排出する働きがあるためです。また、カリウムは、血圧を上げる原因となるノルアドレナリンというホルモンと、レニンという酵素の分泌を抑えてくれます。ノルアドレナリンは、体温や脈拍など、人間の基本的な生命活動をコントロールする自律神経にかかわっているホルモンです。一方、レニンは、人間の体内で最も強く血圧を上げる作用を持つアンジオテンシンⅡの生成にかかわっている物質です。りんごのカリウムは、これらノルアドレナリンやレニンの分泌を抑え、高血圧の原因を、根本から封じるのです。さらに、カリウムには、末梢血管を拡張させる作用があり、血行をよくすることでも血圧を下げてくれます。それだけではありません。カリウムには、自律神経の働きをととのえて、交感神経の興奮を抑える作用があり、これもまた、血圧を下げるように働くのです。
■柿
柿のビタミンCやタンニン(柿の渋み成分)、カリウム、ペクチン(食物繊維)が、高血圧や動脈硬化によい影響を及ぼします。疲労回復やかぜの予防、がんの予防、老化防止などの効果も挙げられています。
■バナナ
エネルギーが多く、主食代わりにもなりますが、ビタミンB1やB2、C、カルシウム、マグネシウム、食物繊維も豊富です。またカリウムが多く、1本でカリウムの錠剤2~3錠分に匹敵するほどで、高血圧に有効です。そのほか、キウイフルーツやグレープフルーツ、みかん、いちご、パイナップルなどもカリウムとペクチンが多いので、適量を食べれば高血圧や動脈硬化の進行を防ぐのに役立ちます。
■ごま
ごまの脂質はほとんどがリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で、コレステロールを減らして動脈硬化を予防する効果が得られます。カルシウムや鉄、ビタミンEも含まれており、老化防止や疲労回復、貧血などにも効果的です。
緑茶やそばにもよい成分が多い
そのほか、緑茶やそばなどにもよい成分が含まれているので、上手にとり入れるとよいでしょう。
■緑茶
緑茶の渋み成分のカテキン(タンニンの一種)には、がんの予防効果があるほか、アレルギーを改善したりコレステロールを下げる作用、ぼけを防ぐ作用などがあります。色素成分(フラボノイド)には、血管の柔軟性を保ち、血圧を下げる働きもあります。ビタミンCも豊富で、かぜの予防や美肌効果も得られますし、緑茶のたんばく質には、脳細胞を活性化させて脳の老化を防ぐグルタミン酸やテアニンなどの成分も含まれています。
■そば
そばのでんぷんは消化がよく、良質なたんぱく質も含まれています。ビタミンB1やB2、食物繊維も含んでいるほか、ルチンは、毛細血管を強化して内出血を防ぐ働きがあります。そばは、血圧を下げる効力も持っています。人間の体には、ACE(アンジオテンシンⅡ変換酵素)という酵素があり、この酵素の作用が強くなると、血圧が上がります。そばには、このACEの作用を阻害する働きがあるため、血圧の上昇を防いでくれるのです。米国で開発されたACEの作用を弱める血圧降下剤は、そばに含まれるACE阻害物質の化学構造と、ほぼ同じといわれています。そのほかにも、そばには、血糖値を下げたり、膵臓の機能を活性化させたりする働きもあることが明らかになっています。
黒いそばは血管強化に、白いそばは血圧降下に
植物の褐色色素であるルチンは、そばの実の表層に豊富に含まれ、ACE阻害物質は、内層に多く含まれます。そのため、黒っぽいそばは血管を強くする効果が高く、白っぽいそばは血圧を下げる効果が高いといえます。また、ルチンとビタミンCをいっしょにとると、毛細血管の作用がさらに強化されます。ですから、そばを食べるときのっけ合わせは、ビタミンCの豊富な大根おろしがおすすめです。血圧の調整や血管強化のためには、1日30~50gのそばを食べるのがいいとされています。また、ルチンはそばを茄でるときに湯にとけ出すので、そばがきにして食べるのもよいでしょう。そばがきにすれば、ふつうのそばのように茄でこぼさないので、そばの有効成分をそのまま採ることができます。
このように、高血圧や動脈硬化によい食品もたくさんあります。こうした食品を、自分でも工夫して毎日の献立へ取り入れていけば、健康的でおいしい"豊かな食生活"に改善することができます。栄養素や食品の特徴をよく知って、前向きの気持ちで食事療法に取り組むことが、"治療を成功させる第一歩"と言えましょう。
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