高血圧 - 薬物による高血圧の治療2
血圧が高くなってきたら、どのような医師に相談するのがよいか?
検診や生命保険加入時などの際、高血圧が発見されることも多いと思います。このようなときは、日を変えて内科医を受診し、改めて血圧を測ってもらいます。不安があるため一時的に血圧が高くなることもありますので、鑑別診断のために検査をしてくれる医師がよいと思います。高血圧の人にとって医師の選び方は次のようなコツがあります。
1.これまでの病気の経過をよく聞いてくれる医師
2.一回の受診ですぐ薬を出さない医師
3.心電図、胸部レントゲン、血液、尿の検査、眼底検査などをして、高血圧の鑑別診断や重症度を評価する医師、あるいは循環器専門医師を紹介してくれる医師
4.家庭で測った血圧の記録をよくみてくれる医師
5.診断がついた後、治療方針まで、よく説明してくれる医師
薬物療法はいつから始めるとよいか?
高血圧の緊急症でない限り、すぐに血圧を下げなければならないとはいうことはありません。前述したように、まずは一定の手順に従ってリスク層別化を行い、生活習慣修正のプログラムを実施したのち、はじめて降圧薬使用の適応があると判断される場合のみ薬物療法が始められます。時に薬物療法は、風邪や胃腸障害などで受診した際の血圧値の判断からかかりつけ医によって処方され、そのまま継続されることがあります。最近では検診時に血圧が高かったというだけで、薬物療法が始められることが少なからずあります。高血圧の治療は生涯に及ぶことから、初診時の判断が非常に重要となりますので、信頼できる医師にみてもらうようにしてください。
降圧薬を飲んでいるのに血圧が下がらないが?
まず考えられることは、肥満の改善、食塩、アルコール制限など一般療法を実行していないのではないでしょうか。このようなことがなく、降圧薬をきちんと服用しているのでしたら、薬の選択やその用い方に問題があることになります。選ばれた薬が適切であるか、薬用量が少なすぎる、あるいは薬剤の組み合わせが適当でないなど、その他降圧を妨げている薬剤を併用している場合などが考えられます。また、腎不全やほかの二次性高血圧があると、降圧薬の効果が得られないことがありますので、そのことをかかりつけ医に検討してもらう必要があります。一週間くらい、いろいろな時間帯の、いろいろな条件下で血圧を測った記録を持参すると説得力が増します。現在では優れた降圧薬が豊富に出ていますので、その人に適した薬がみつかるまで、根気よく試してもらうとよいでしょう。
降圧薬を飲んでいても、食塩制限は必要か?
一般に広く用いられている降圧利尿薬やカルシウム桔抗薬には血液中のナトリウムを排泄させる作用があります。したがって、もともと食塩を制限している人は、降圧薬の量が少なくても、薬の効果が上がっているとみなされます。しかし、降圧薬を飲んでいるからというて、食塩をとりすぎると、薬の効果は半減してしまいます。ですから、降圧薬を効果的に働かせるためには、やはり食塩制限は続けたほうが望ましいでしょう。
降圧薬を飲み忘れたとき?
長い間薬を飲み続けていると、たまに忘れてしまうことがあります。しかし、長期間続けて服用している場合には、たまに一回忘れたとしてもそれほど気にすることはありません。むしろ忘れたからといって、一度に二回分を飲むことのほうが危険です。二回分を一度に飲むと薬の血中濃度が必要以上に高くなり、血圧が下がりすぎてしまう危険性があります。また、降圧薬を精神安定剤、心臓の薬などと併用して飲むケースでは、あらかじめ一回ごとの薬を分けておくと間違えなくてよいでしょう。高齢者では先ほど薬を飲んだのに、飲んだことを忘れてしまう人がありますから、一日分を朝、昼、夕とか朝、夕とかの小箱に入れておいて飲むと間違いがなくなります。
降圧薬の薬効時間は?
降圧薬は長期にわたって服用する薬の代表格ですが、種類も多く、服用方法もさまざまです。しかし最近では、軽症から中等症の高血圧のコントロールには、1日、一~二回の服用が主体となっています。2日三回服用する必要のある人は、降圧薬以外にほかの薬を併用しているか、血圧の変動が激しくてコントロールが難しい特殊な場合でしょう。降圧薬は、普通服用後二~三時間で降圧効果がピークに達しますが、降圧薬の吸収を徐々にして長時間にわたって有効であるようにするため、薬の外側にころもをつけた製剤(除放錠)などが工夫されています。24時間にわたって吸収されるものは一日一回、12時間にわたって吸収されるものは一日二回服用すればよいのです。実際には、降圧には複雑な体内の調節機構が巧妙にかかわりますし、個人差も大きく理論どおりにはいきません。医師の指示どおりに服用したら、どのように降圧効果があったか、また副作用の徴候はなかったかなどを記録したものを、かかりつけ医にみせて参考にしてもらうようにしましょう。
降圧薬は一生飲み続けなければならないのか?
一般にはよくそのようにいわれますが、実際は必ずしもそうではありません。これまでにも述べてきたように、高血圧の治療は、まず生活習慣の修正に努める一般療法があり、それでもなお血圧が下がらない場合に、薬物療法を開始するのです。したがって、薬物療法開始後、生活習慣の修正が効果を発揮して血圧が安定し、体調がよくなる場合があります。このようなときに試みに降圧薬を中止してみて、再び血圧の上昇がなければ、そのままやめることができる人もいます。また、冬の間は降圧薬を飲んでいる人でも、夏になると血圧が安定し降圧薬をやめることができる人もいます。しかし、これらの人は例外であって、普通は高血圧の泊癖は生涯にわたると考えていただきたいのです。必ずしも降圧薬を飲み続けるというのではなく、生活習慣の修正を含めた意味での高血圧の管理を続けるということです。決して、自分の判断で降圧薬をやめたり、飲んだりしてはいけません。かかりつけ医とよい信頼関係を保ちながら、患者自身が治療方針を納得して受け入れることが、治療効果を上げる秘訣です。新しく医師に診察を受けたとき、その人が緊張していると一時的に血圧が高くなることがあります。そのとき、その医師が一回の診察で高血圧と診断して早速、薬物療法を始めたとします。本当は降圧薬を必要としないわけですから、そのような人が医師を変えて受診した場合、その医師が、これは本当の高血圧ではないと判断した場合は、思い切って薬を中止することがあります。このようなケースであれば、降圧薬を中止することは当然なことです。
降圧薬を飲んでいる人は野菜を多くとる必要があるか?
多くの降圧薬の中には、ナトリウムの排泄をよくするために尿量を増加させる利尿作用があります。そのような降圧薬を飲む場合は、ナトリウムと同時に血液中のカリウムも排泄されてしまうので、低カリウム血症が起こりやすいのです。カリウムの補給は食品から自然にとるのがベストです。カリウムは野菜や果物、豆類などに多く含まれますので、そのようにいわれたのです。食品の成分表をみて、カリウムの多い野菜を知っておくことも大切です。
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