高血圧 - どこで高くなる?
白衣高血圧
ふつうの人にとって、病院はいつもとちがう特殊な環境です。「病気かもしれない」との不安があると、医師や看護師に名前を呼ばれただけで、ドキッとしてしまうものです。そのため、病院で医師や看護師に血圧測定をしてもらうと、血圧が高くなることがあります。ところが、家でのんびりしているときに測ると、血圧は正常なのです。このような、病院で測定した外来血圧だけが高いタイプを、「白衣高血圧」と呼んでいます。白衣高血圧は非常に多く、高血圧と診断されている人の30%くらいは、このタイプだといわれています。一方、もともと高血圧の人が、病院で血圧を測定すると、ふだんよりもさらに高くなることを「白衣現象」と呼んで区別しています。
5~10年後に本当の高血圧になることも
血圧が上がるのが病院内だけであれば、それほど問題はありません。ただ、白衣高血圧の人を長期的に追跡調査してみると、白衣高血圧でない人より、5~10年後に、本当の高血圧になる確率が高いことがわかっています。ストレスの影響を受けやすくて、病院以外の場所でもストレスで血圧が高くなるタイプの人は、本当の高血圧になりやすいのではないかと考えられています。
▼こんな人は白衣高血圧が疑われる
・外来血圧(病院で測定した血圧)がいつも高い
+
・家庭で測定すると正常血圧
・心肥大(しんひだい)やたんばく尿などはない
仮面高血圧
病院で測ると、血圧が高くなる自衣高血圧とは逆に、病院で測ると異常がないのに、家庭で測ると異常値になるというケースもよくみられます。病院では"正常″という仮面をかぶっているので、このタイプは「仮面高血圧」と呼ばれています。仮面高血圧の人は、高血庄の患者さんのうち10%程度といわれています。仮面高血圧かどうかは、24時間血圧測定検査や、家庭での血圧測定でわかります。しかし、一般的な健診や病院での検査では異常がないため、高血圧を見逃されてしまうケースがとても多いことが問題となっています。
3つのタイプに分けられる
ひとつのタイプは、夜間の血圧が高く、昼間はそれほど高くない「夜間高血圧」です。病院での血圧測定は、たいてい午前9時から午後にかけてなので、血圧が低いときに測っていることになります。また、起きたばかりの早朝に血圧が高く活動を始めると下がる「早朝高血圧」といわれるタイプもあります。仕事をしているときだけ、ストレスによって血圧が高くなる、「職場高血圧」というタイプもあります。職場より病院のほうが落ちつくため、診察時の血圧は下がっているのです。
▼こんな人は仮面高血圧が疑われる
・外来血圧(病院で測定した血圧値)は正常である
+
・ヘビースモーカーである
・仕事に追われていて、ストレスが多い
・心肥大(しんひだい)やたんばく尿を指摘された
・肥満でいびきがひどいといわれる
夜間高血圧
血圧は、昼間は高く、夜寝ているときは低くなっています。この「口内変動」は、自律神経が調整しています。活動する昼間は血圧を上げて、体のすみずみまで十分に血液を送り届けて、活動に適した体内環境をつくります。寝ている問は最小限の血液で足りるので、血圧を下げているのです。ところが、夜になっても十分に血圧が下がらなかったり、むしろ昼間より上がってしまうことがあります。それが、「夜間高血圧」です。夜間高血圧の背景には、肥満や糖尿病のほか、睡眠時に大きないびきをかき、ときどき呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群などの、病気が隠れていると考えられます。
脳卒中や心臓病のリスクが高い
通常、夜は血圧が下がり、血管にかかる負担が少なくなって、血管はひと息つくことができます。ところが夜間もずっと高いままだと、それだけ血管に強い負担がかかり続けることになります。そのため血管を傷つけやすく、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの、血管障害による病気が発症しやすくなります。また、脳の細い血管が障害され、それが積み重なって認知症の発症につながることもあります。
▼こんな人は夜間高血圧が疑われる
・外来血圧(病院で測定した血圧)は正常である
+
・BMI25以上で肥満
・大きないびきをかき、ときどき呼吸が止まる
・糖尿病やパーキンソン病がある
早朝高血圧
血圧を調整している自律神経には、体を緊張状態にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経があります。夜は副交感神経が優位になっていますが、朝は交感神経が優位に働いて、血管を縮めて血圧を上げ、心拍数を増やして、体を活動状態にします。このように、もともと朝は血圧が高いのですが、特に起床時の血圧が高くなっているタイプを、「早朝高血圧」といいます。自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わり、血圧が高くなる朝から午前中にかけては、脳卒中や心筋梗塞などの血管障害が原因の病気が起こりやすい時間帯です。早朝高血圧はそれだけ、重大な病気を招きやすい、危険な高血圧といえます。
夜間持続型はよりリスクが高い
同じ早朝高血圧でも、睡眠中は通常どおり血圧が下がっており、早朝に血圧がポーンと上がる「早期上昇塑」と、睡眠中からずっと朝方にかけて血圧が高い「夜間持続型」とがあります。より危険なのが、夜間持続型です。早期上昇型は、血圧が高いのは朝だけなので、血管への負担はそれほど大きくありません。しかし夜間持続型は、通常は低いはずの夜間の血圧も高いので、血管が受けるダメージがそれだけ大きくなります。
▼こんな人は早朝高血圧が疑われる
・外来血圧(病院で測定した血圧値)は正常である
+
・起床直後の血圧が上140/下90mmHg以上
職場高血圧
病院で測定した血圧にはそれほど問題がないのに、実は昼間の血圧が高いタイプがあります。その代表が、「職場高血圧」です。血圧は、心身のストレスの影響を受けやすいのですが、ストレスのなかでも仕事にまつわることは、なかなか解消しにくいものです。職場高血圧は、仕事が超多忙だったり、人間関係などのストレスの多い職場にいる人に起こりやすくなっています。そのような人にとって、職場から離れて病院などに行き、診察を待つ問は、貴重なリラックス時間になります。心身がリラックスすれば血圧は下がるので、病院で血圧を測ると、正常血圧という結果が出てしまいます。
たばこを吸う人は特に要注意
ヘビースモーカーも、昼間に血圧が上がるタイプです。たばこを吸うと、血管が収縮して血圧が上がります。絶え間なくたばこを吸っていれば、血圧が高くなっている時間がとても長いことになります。しかし、健診時など病院内では喫煙をしないことが多いので、病院で測定すると血圧に異常は出ないのです。いつも仕事に追われているうえに、喫煙をする人は、特に注意が必要といえます。
▼こんな人は職場高血圧が疑われる
・外来血圧(病院で測定した血圧値)は正常である
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・43歳以上の人
・BMI25以上で肥満
・両親や兄弟に高血圧の人がいる
・仕事に追われていて、ストレスが多い
・ヘビースモーカーである
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