高血圧 -血圧計の種類
現在多くの血圧計が市販されていますが、大きく分けて「水銀式血圧計」、「アネロイド式血圧計」、「自動血圧計(オッシロメトリック法)」があります。各々に特徴がありますので、使う人の条件に合ったものを選ぶとよいでしょう。
水銀式血圧計とは?
水銀式血圧計は血圧計の中で最も歴史が古く、また現在でも医療機関で多く使われています。聴診器で血管音を聴いて、「最高/最低」の血圧値を水銀柱の高さの数字で読みます。最も構造が簡単で、故障も少ないので測定値は正確です。しかし、比較的大型で重いので、携帯するのは不向きです。水銀式血圧計で重要なことは、1.圧が加わっていないときの水銀レベルがゼロの位置にあること、2.ガラス管内の水銀の動きが滑らかであること、3.ガラス柱と止め金の間にあるフィルターが目詰まりしていないことなどです。使用後はガラス柱内の水銀をすべて水銀だめのほうへ移してからレバーを倒しておくようにします。主なトラブルとして、取り扱い方によっては水銀が分離し、水銀柱が切れてしまったり、水銀がこぼれて減ってしまうことがあり、その場合は水銀を足さなければなりません。こぼれた水銀は有毒ですので必ず購入したメーカーに問い合わせてください。耐用年数はゴムやビニールの部分の耐久性によりますが、水銀の量さえ減らなければ、非常に長く使えます。しかし、信頼性は点検されたアネロイド式と変わりませんが、実用性は水銀の有毒性を考えると決して高いとはいえません。最近では、環境汚染への配慮から、ヨーロッパでは使用が制限されていたり製造中止になっている国もあります。
自動血圧計(電子式)とは?
現在、発売されている自動血圧計は、大きく分けると次の三種類です。
1.コロトコフ法(マイクロホン式)
上腕動脈に現れる血管音を、聴診器を用いて人の耳で聴き取る代わりに、マイクロホンを用いて、最高血圧と最低血圧を感知し、自動的に血圧値を数字で表示する器具です。
2.オッシロメトリック法
上腕動脈の拍動に伴って規則的に発生する振動をとらえ、血圧値を自動的に測る器具です。 3.コロトコフ法とオッシロメトリック法の併用型
ほとんどのメーカーが血圧値のほかに脈拍も同時に測定し、記録するようにしています。機種によっては送気も排気もプリントも自動的に行えるものもあります。コロトコフ法では、腕帯にマイクロホンが内蔵されているので腕帯の巻き方に注意が必要です。しかし、このタイプの血圧計は血管音と空目の区別が困難なことから、現在ではあまり用いられなくなっています。オッシロメトリック法は、動脈の拍動に伴って生じる腕帯内の振動を測定することによって血圧を測る方法です。測定に伴って生じる種々の雑音の影響を受けることがなく、また自動血圧計は取り扱いが簡単なので急速に普及しました。人により三つの方法の測定値には多少のずれがあります。その他、手首や手指で測る血圧計も出回っています。着衣を脱いで上腕を出すという面倒がない、携帯に便利などの面もありますが、上腕部での測定より値が不安定で、必ずしも適切な測定とはいえません。
「コロトコフ音」とは?
血圧を測るとき、動脈から生じる血管音が聴診器を通して聴こえます。この血管音のことを発見者の名にちなんで「コロトコフ音」と呼びます。血圧測定に際して大事なことなので、もう少し詳しく説明しましょう。上腕に正しく腕帯を巻いて圧迫すると、やがて上腕動脈はぺちゃんこに遮断されてしまいます。次にネジをゆるめて少しずつ空気を抜いて、圧迫を解いていくと、ある時点からまた血液が流れ始めます。この際、血管はまだほんのわずかしか開いていないので、狭い血管を血液が最初に通るときに音が発生します。この音は血管の圧迫が解けて元の太さに戻る直前まで続きます。この音をコロトコフ音といいます。血流の渦巻きや血管壁の振動などによって、発生するものとされています。そして、さらにこの音を図のように五相に分けます。正しい測定をした場合は、五相の音の大きさや音色や音のにごりの程度が変化した血管音を聴くことができます。初めから最後まで音が小さかったり、あるいは音が変化しなかったり、さらには第二相の雑音が入らなかったような場合には、うまく測定されていないと判断します。このようなときは測定の手順のどこかに問題があるのです。コロトコフ音の聴取による血圧測定法を聴診法といいます。聴診法では、一般にコロトコフ音の一点(血管音が発生する点)を最高血圧、五点(血管音が消える点)を最低血圧とします。人によっては血管音がなかなか消失せず、0まで続くことがあります。このように五点が決められないときには、音がくすむ(マッフルする)点、すなわちコロトコフ音の四点を最低血圧とします。
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