40代 健康

Life in the future

40代からの体の悩み
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vol.2 大腸がんはどんな病気か
vol.3 大腸がんの自覚症状
vol.4 大腸がんの検査
vol.5 大腸がんを確定する検査
vol.6 大腸がんを確定する検査2
vol.7 大腸がんの治療 ステージ
vol.9 開腹手術と腹腔鏡手術
vol.10 人工肛門
vol.11 放射線療法・抗がん剤治療
vol.12 がんの再発と転移
vol.13 手術後・退院後の食事
vol.14 手術後の日常生活

大腸がん - 大腸がんの治療

病期ごとの治療選択

Ⅳ期でも十分に根治が期待できるので、治療の基本は「根治を目指すこと」になります。0期、I期(軽度浸潤)では、がんがそれほど進行していない早期の段階なので、内視鏡を使用して大腸の内側からがんを切除します。場合によっては、手術が必要になることもあります。I期(深部浸潤)、Ⅱ期、Ⅲ期では、近くのリンパ節へ転移しているか、転移している可能性があります。手術でがんを切除するだけではなく、リンパ節をとり除くリンパ節廓清(かくせい)を行うことがあります。Ⅳ期では、可能なかぎり手術でがんを切除します。しかし手術ができない場合は、抗がん剤の投与か放射線による治療が行われます。それも難しい場合は、痛みなどの症状を抑える対症療法を行います。

内視鏡治療

ポリペクトミー

大腸内視鏡検査、それと同時に行われる組織検査(生検)によって大腸がんと診断されると、拡大内視鏡検査、超音波内視鏡検査、CT検査などで病期を調べます。リンパ節転移の可能性がほとんどなく、がんが一括して切除できる大きさと部位にあるときには、内視鏡治療を行います。内視鏡的切除の適応基準は、「粘膜内がん、粘膜下層への軽度な浸潤がん(上部1mm程度にとどまっている)」「病変の最大直径が2mm未満」です。なお、肉眼型は問いません。内視鏡治療は、開腹せずにがんを切除できるため、体への負担が少ないというメリットがあります。ただし、モニターを見ながらの治療になるので、がんを取り残さないように治療を行うのは高い技術を要します。また、大腸の壁は、胃壁(7~8mm)などと比べると薄いために、がんを切除するときに電流を流すことでまれに処置した部分に孔があいたり(穿孔)、切除した切り口(切除断端)から出血する合併症を起こすことがあります。合併症の頻度は、穿孔が0.2%、出血が0.36%と報告されています(日本消化器内視鏡学会による1万8668例の集計)。穿孔を起こしたときには、手術が必要なこともあります。出血に対しては、出血部を電気的に焼いたり、クリップで挟んで止血します。内視鏡治療は、患者さんの年齢、病変の大きさなどによっては入院が必要なこともありますが、基本的には外来で行います。2cm未満の病変に対する内視鏡治療には、「ポリペクトミー」と「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」があります。ポリペクトミーは、主として隆起型の病変に対して行われます。病変部まで挿入した内視鏡の先端から、スネアという金属製の輪を出してがんの茎の部分にかけます。モニターを観察しながら、茎に引っかけたスネアの輪を徐々に締めていきます。スネアに高周波の電流を流し、茎を焼き切ります。亜有茎性や小さな無茎性の場合には、病変部の根元(粘膜上皮との境)にスネアをかけます。

内視鏡的粘膜切除術

一方、内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、主に表面型や大きな無茎性のがんに対して行います。まず病変部まで挿入した内視鏡の先から、がんの下の部分に生理食塩水を注入します。生理食塩水によって盛り上がった部分にスネアを引っかけて輪を締め、高周波の電流を流して焼き切ります。いずれも切除したがんを内視鏡の先の手術器具で肛門から取り出します。内視鏡的粘膜切除術で一括して切除できない(最大径2cm以上)大きながんの場合は、「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を行う方法があります。病変周囲、粘膜下層に生理食塩水またはビアルロン酸ナトリウム溶液などを注入して盛り上げます。専用のナイフで病変周囲を切開し、粘膜下層の剥離を行います。壁の薄い大腸では技術的に難しい治療法です

内視鏡治療後の組織学診断

病理検査

内視鏡治療で切除して取り出したがんの病理検査を行い、切除後の治療方針が検討されます。顕微鏡による判定(組織学的診断)で、腫瘍が粘膜にとどまっていて、粘膜下層への浸潤がなく、切除した切り口(切除断端)にがんが認められない場合は、リンパ節転移の危険はほとんどなく、これで治療終了ということになり、ほぼ100%完治します。その後は、定期的な検査などで経過観察を行います。これに対して、組織学的診断で粘膜下層までがんの浸潤が達している場合には、リンパ節転移の可能性が疑われます。

1.切除した腫瘍が低分化腺がん、または印環細胞(いんかんさいぼう)がんや粘液がんである
2.がん組織内の血管やリンパ管の中にがん細胞が認められる
3.粘膜下層の深い部分(1mm以上)まで浸潤している
4.がん先進部の蔟出(がんが深部で浸潤性に拡がる状態)である。

これらのいずれかの所見があると、リンパ節転移が10%前後の確率で認められるため、中間リンパ節までのリンパ節郭清(かくせい)を伴う腸管切除(根治手術)を行うことが検討されます。 根治手術を行うことで、5年生存率は約90%になります。一方、根治手術を行わない場合、リンパ節再発が10%前後の確率で起こると考えられています。リンパ節再発を起こしても発見が困難であったり、発見されても遠隔のリンパ節まで転移していることがあり、治らないことが多いのです。逆に、90%前後の確率でリンパ節再発がないという考え方もできます。特に高齢であったり、心臓病などのほかの持病がある患者さんの場合、根治手術で5年生存率は高くなるかもしれませんが、体への負担が大きく予後が悪くなってしまうこともあります。どの選択をするかは、患者さんの状態によって違ってきます。一方、体力があって元気な人であれば、根治手術による体への負担を乗り切ることは十分に可能ですから、リンパ節再発の危険性を低くすることができます。また、切除断端にがんが認められる(切除断端陽性)場合には、リンパ節転移を含む再発の危険性があるので腸管切除を行うべきでしょう。治療方針の決定は、主治医とよく相談して判断されることをおすすめします。

粘膜下層の深い部分にがんが浸潤しているときには

治療前の大腸内視鏡検査や超音波内視鏡検査で、早期がんではあるが、粘膜下層の深い部分にまで浸潤があると判定された場合には、大腸を残したいからと無理に内視鏡的切除術を選択するのではなく、リンパ節部活を伴う腸管切除を行うことをおすすめします。というのも、こうしたケースでは、内視鏡的切除術を行っても、リンパ節に転移している可能性があり、再度、開腹して腸管切除を行わなくてはならないことが少なくないからです。また、粘膜がんや良性腺庫と判定された場合でも、腫瘍が大きいときには腸管切除を行うことがあります。この場合は、腸管傍(ちょうかんぼう)リンパ節までの切除になることが多くなります。
内視鏡的切除術では、大きな腫瘍を切除することは技術的に難しく、そのうえ、切除した切り口(切除断端)の血管から出血したり、腸壁に孔があいたりする合併症のリスクも高くなります。このような場合は、それぞれの治療法のメリットとデメリットを主治医によく説明してもらい、納得したうえで判断するようにしてください。さらに、実際に内視鏡的切除術を行うのは、内視鏡専門医であることも多いので、医師とよく相談するようにしましょう。

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