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歯の悩み - インプラントの治療2

治療が制限される可能性のあるケース1

これまで、インプラントの治療に関してプラスの面を中心に見てきましたが、この章ではインプラントの治療に対しての今後の課題ともいえる問題について考えていきたいと思います。入れ歯やブリッジなど従来の治療方法と比べると、どうしてもメリットの多さが目立つインプラントの治療ですが、「インプラントにはデメリットはないのでしょうか?」と質問されることもあります。インプラントの治療のすべてを知ってもらうためにも、あらゆる面から説明をしたいと思いこの章にまとめてみました。インプラントの良い面も悪い面も理解した上で治療を希望するかどうかを決定するのも選択方法のひとつだと私は思います。さて、まずはインプラントの治療が制限される可能性のあるケースについて説明しましょう。

①年齢制限について

インプラント 年齢制限

インプラントの治療に年齢の上限の制限はないといっていいでしょう。実際の年齢よりも重要なのは口腔内と全身の健康状態です。顎の骨が成長することを考えると、ある程度は身体の成長が終わっている年齢の方、健康で安全に手術を受けることができる状態の方であれば年齢に関係なくインプラントの治療は可能でしょう。インプラントの治療ができる状態かどうかは、具体的な治療をはじめる前の段階で問診や検査を受けることになりますので、そこで判断できます。もっとも多い年齢層は、おそらく40~60代ということになると思いますが、中には事故や怪我が原因で歯を失うことになった20代の方もいます。年齢が若い方には特に、健康な歯を削って結果的に負担をかけることになるブリッジよりもインプラントが選ばれる傾向にあるようです。また、80代の方もいらっしゃいます。インプラントを埋入するには一定の骨の厚みが必要になりますが、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方や歯周病により骨が溶けてなくなってしまっている方でも増骨処置などによって造骨できればインプラントの治療は可能になります。高齢の方にインプラントがよろこばれる理由は、かつてあった自分の歯のように食べ物が暖めるようになったということ、見た目や気持ちの影響が存外に大きいこと、などではないでしょうか。高齢の方でも、健康で美しい歯の並ぶ口元に張りがあるとそれだけでとても若々しい印象を与えます。入れ歯をはずした後のシワのたくさんよった口元で考えてみるとおわかりになると思いますが、口元は見た目の年齢を左右する大きなポイントになるのです。インプラントはしっかりした顎をいつまでも保つことができます。咀嚼の問題もあります。物をよく唆むことは、脳細胞を活発化させる効果があり、咀嚼中は脳の血液量が8~28パーセントもアップするともいわれています。噛むという動作は顎の筋肉を使用することで脳を刺激すると同時に味わうことで五感を刺激するので、脳にいい振動を送ることになるのです。最近では、阻境と認知症の関係性についても研究が進んでいるように、私たちが健康で年を重ねていくために「噛む」ことは、切っても切りはなせない重要な要素なのです。

②金属アレルギー

金属が体内で溶けだすことによってタンパク質と結合して抗体となってアレルギー反応を起こすと考えられているのが金属アレルギー。水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、金などで発生するケースが多いといわれています。インプラントの材料であるチタンはどうでしょう。純チタン製のインプラントの場合、正確にいうと純チタンと骨が結合するのではなく、純チタンの周囲にできた何重もの酸化膜と骨の結合です。ですから、チタンが体内へ溶けだすことはあり得ません。万が一、体内に入ったとしても心配はないといわれています。現在は歯科医療の領域をこえて人工心臓や人工関節にも使用されているチタンですが、きわめて金属アレルギーを起こしにくい金属であるのは間違いありません。どうしても心配な方は皮膚科やアレルギー外来で、チタンのアレルギー反応を検査してもらうのもいいでしょう。

③骨粗鬆症

日本には約1000万人以上が患っているといわれ、中高年に多い病気のひとつである骨粗鬆症は、骨に小さな穴が多数あいてしまう状態のことです。患者の多くは女性で、実際には骨量が低下して骨が弱くなることで骨折しやすくなるといわれています。インプラントの治療をスタートさせる前には、治療を受ける方の骨の状態を十分に検査します。骨粗鬆症のみならず骨量が少なかったり、歯周病が原因で骨が溶けてなくなっていたりする方でもGBR法やGTR法といった何らかの策を講じることによってインプラントの治療は可能になります。

④妊娠

インプラント 妊娠

インプラントの治療に直接影響があるというよりは、治療に際して必要になるレントゲンや麻酔に対する懸念から「妊娠中は治療を控えた方がいいでしょう」というように一般的にいわれています。虫歯や歯周病の治療で継続して歯科医院に通っている方や、個人的な事情のあるケースもあり、ひとりひとり状況は異なりますので、まずは一度、担当医に詳しく相談してみましょう。以上、いずれの場合もインプラントの治療を禁止するというよりは制限するといったことになります。このほかにもインプラントの治療に関して制限される可能性のあるケースもありますので次にみていくことにしましょう。

治療が制限される可能性のあるケース2

インプラントの治療に制限がかかる可能性のあるパターンとして、これまで年齢、金属アレルギー、骨粗鬆症、妊娠の問題をあげましたが、ここではそのほかの例をみていきましょう。特に、全身疾患に関してはインプラントの治療の際には注意を要するものもあります。

⑤糖尿病

糖代謝の異常によって起こるとされ、血液中のブドウ糖濃度が病的に高くなることでさまざまな合併症を引きおこす危険性のある病気です。日本での患者数は約700万人にまでのぼるともいわれています。一般的に、糖尿病の方はバクテリアなど細菌の感染に弱いとされていて抵抗性が低下する症状が見られることもあります。したがって歯周病になる確率も高く、病状が進行するにつれてインプラントの治療にも影響を及ぼす恐れが出てきます。また、糖尿病の方の場合には、インプラントと骨が結合するときの骨吸収量が多くなりインプラントがはずれてしまう可能怪もあります。いずれにしても、主治医との相談が必要になるでしょう。血糖値を低くコントロールするなど徹底的な管理がおこなわれている場合にはインプラントの治療も不可能ではないようです。

⑥高血圧症・心疾患

現在、心臓に不安があって通院している方や過去にこのような病歴がある場合、主治医と相談することをおすすめします。インプラントの治療に際しては、通常の約20~30は血圧が上昇する方が多いといわれています。インプラントを埋入する手術で使用する部分麻酔にも血圧を上昇させる作用があり、慎重にならざるを得ないでしょう。高血圧の状態による過度な心臓への負担も考慮すると、血圧を下げる薬の投与などの処置も対策としては考えられますが安全な治療をおこなうために医師の指導のもと、十分な血圧のコントロールが必要になるでしょう。心臓への負担に関しては、狭心症や心筋梗塞も同じことがいえます。普段から動博や息切れを自覚している方は特に事前に診察を受けてインプラントの治療を受ける旨を相談するといいでしょう。そのほか、肝臓や腎臓についても同様に、インプラントの治療の前に念のため内科で相談する方がより安心して治療に臨めると思います。肝臓疾患で懸念されることとしては、止血がしづらいことと、薬を服用することで肝機能のさらなる低下が危惧されることが指摘されています。腎臓については、疾患の進行が激しい場合には抵抗力の低下によりインプラントの定着がスムーズにいかないケースもみられるようです。インプラントという選択肢だけが残された方法というわけでは必ずしもありません。自分に合った治療方法が必ず見つかるはずなので、あきらめずに勇気を持って一歩踏み出してみることが大切です。

⑦喫煙

インプラント 喫煙

喫煙が健康に悪影響を及ぼすということは誰でもなんとなく知っていて、喫煙=肺がんというイメージも広く浸透しています。一方、喫煙が歯や歯肉にも悪影響を与えていることはあまり知られていません。1990年代に入ってから歯科や口腔外科の視点からもさまざまな研究が盛んに行われるようになり、とくに、喫煙と歯周病の因果関係が高いことがわかってきました。年齢や喫煙量にもよりますが、現在、喫煙者は非喫煙者の3~4倍、元喫煙者でも1・5~2倍近くのリスクがあるといわれています。インプラントは比較的新しい治療法であるため、何千何万という対象者を長期的に調査したデータはありませんが、歯周病に対するリスクと同様であることは想像がつきます。喫煙者におけるインプラント失敗率は、非喫煙者に比べて2~3倍高くなるという報告もあり、インプラント治療におけるリスクファクターの上位に位置づけられています。では、タバコの何が歯周病を発症させたり、インプラントに悪影響を与えたりするのでしょうか?喫煙により末梢血管が収縮して血流が低下するということは知られています。口腔内でも同様の現象が起き、まずは血行不良によって低酸素状態に陥ることが歯周病菌の繁殖を助長していると考えられます。インプラントの場合では、これに加えてニコチン・タールなどの有毒物質が骨や歯肉の再生や修復に悪影響を与え、抵抗力を低下させてしまうので、手術後の傷の治りを阻害・遅延させたり、インプラント生存率(耐久性)を低下させると考えられています。

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