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歯の悩み - 歯周病のリスク

歯周病のリスクを知ろう

歯周病は、齢をとるとなる病気と考えている方も多いようです。確かに齢をとれば骨がもろくなって免疫力も低下するので、歯周病のリスクは高くなります。しかし、若年者に歯周病が少ないかというと、そうでもないのです。歯周痛を数値的に定義すると、「歯周ポケットの深さが4mm以上に達した場合」をさします。25~34歳で約5人に1人、35~44歳で約4人に1人、45~54歳で約3人に1人の人の歯周ポケットが4mm以上だという報告もあります。むし歯が細菌感染だけでなくいくつかの要因が重なってできるように、歯周病にも細菌以外に悪化を助長する要因があります。歯を失う最大の原因も歯周病ですが、リスクを遠ざけることが歯周病の予防につながります。

加齢はリスクではあるがすべてではない

加齢

歯周病は歳を取るとかかりやすくなるものなのでしょうか?答えはイエスです。では、歯周病のすべての原因は老化でしょうか?答えはノーです。歯周病は若い頃からきちんとブラッシングと歯科医の定期管理を受けていれば、発症しにくく、場合によってはかなりの本数の歯を残すことが可能です。歯周病は「沈黙の病気」といわれています。何十年という時間をかけてゆっくりと進行していき、高齢で体の免疫力が弱まってくると一気に症状を悪化させ歯肉を腫らし歯を脱落させるのです。したがって老化は歯周病のリスクのひとつであってもすべての原因ではありません。歯周病の原因は細菌の感染です。しかし細菌に感染すれば、誰もが同じ経過、状態で歯周病が進行していくというわけではありません。歯周病の症状の変化や、進行状況には老化以外にも様々なリスク(危険因子)が絡んでいるのです。10代から20代前半で、歯石やプラークがそれほどたまっていないのに、歯周病が急速に進行する「若年性歯周炎」などもそのひとつです。前歯や第一大白歯に症状が現われやすく、白血球機能低下などの免疫機能や、特殊な細菌の感染が起因しています。この歯周病のリスクと考えられているのは遺伝的素因です。先天的な免疫力の低下が、微量のプラークでも症状を進行させることになるわけです。歯周病のリスクは遺伝的因子と環境的因子の二つに大きく分かれます。遺伝的因子とは、さきほどの先天的な免疫力の低下などの、いわゆるDNA(遺伝子)が関与するものです。これは病態の把握の手がかりにはなるものの、予防対策や治療が非常に難しいリスクです。もうひとつの環境的因子とは、後天的に発生するリスクであり、気をつければ予防が可能なものです。細菌が繁殖しないような環境を整えてやればいいわけです。この環境的因子は、喫煙習慣、食生活、糖尿病などの疾患、薬物の副作用、ホルモン分泌、ストレスなど多岐に渡ります。これらのリスクが歯周病の発症、進行に重大な影響を及ぼしているわけですが、遺伝的因子と環境的因子を合わせて考えた場合、歯周病にかかりやすい人とかかりにくい人に分けられます。これまでの既往歴や生活習慣から考えて、自分自身が歯周病にかかりやすいかどうかが、なんとなく見えてくると思います。もちろん、はっきりしたことを知るには歯科医院で詳しい検査を受ける必要がありますが、セルフチェックをすることは自分の現状を知ることと、歯周病の予防そのものに役立ちます。ここからは一般的に歯周病のリスクになっている要因について説明していきます。要因によっては、歯周病が逆にリスクになっているものなどもあります。歯周病は内科的疾患とも緑の深いものです。

最も重いリスク「喫煙」

禁煙

近年、煙草については世界的趨勢(すうせい)が禁煙に移行してきています。煙草の害悪に対する認識がグローバルに受け入れられてきているからなのでしょう。日本も同様に禁煙、もしくは分煙の傾向にありますが、世界的に見ればほとんど喫煙天国といって差し支えのない状態です。男性の喫煙率は低下傾向ですが、逆に女性の喫煙率が増加しているというデータもあります。喫煙は様々な病気のリスクといわれていますが、歯周病もその例外ではありません。例外どころか煙草は口から吸うものです。歯や歯周組織への影響は絶大です。煙草の煙の中の有害成分は200種類以上。これらを口腔内に受け入れつづけることによる歯周病のリスクは、非喫煙者と比較して約4倍にもなることが今世紀に入って指摘されています。歯科医院に行くと、必ず喫煙歴について聞かれます。喫煙本数や喫煙年数によって歯周病の進行具合が容易に推定されるからです。もちろん多ければ多いほど、長ければ長いほど、喫煙開始時期が早ければ早いほど進行スピードは加速していきます。また喫煙歴を申告しなくても、歯科医は口の中を見れば即座にどの程度の喫煙習慣があるのか把握できます。喫煙による傷跡が残っているからです。医学界でも、ヘビースモーカーの歯周病の進行度は煙草を吸わない人と約10年の差があることが報告されています。40歳で歯が抜け始める人なら、喫煙により30歳でそうなるということです。歯肉炎などが発症してきて歯科医院にかかり始めたとしても、そこで喫煙を止めることができなければ、治療効果は半滅してしまいます。自宅でのプラークコントロールの効果も貧弱なものになります。歯科医の中には患者に「禁煙するまで治療を開始しない」と厳しく指導する先生もいます。では、なぜ喫煙は歯周病を悪化させるのでしょうか~煙草に含まれるニコチンは筋肉や神経に直接作用し、毛細血管を急激に収縮させます。そうすると、歯周組織への血液供給が大幅に低下し、組織を維持する酸素や栄養の運搬が減少します。同時に同じ部分の老廃物の吸収も疎外され、全体的に歯周組織の機能が低下します。この低下により、歯肉や歯根膜内の線維芽細胞の活動も低下します。この細胞は組織の修復などを行うもので、活動低下により炎症などで破壊された歯肉などを修復する能力が著しく低下します。そうすると、周辺の細胞は一時的にでも組織を守ろうとして、歯肉や歯根膜の本来の機能を持たないかさぶたのような組織で、破壊された部分を覆います。これを医学的に繊維化といいます。繊維化するとその部分の神経は鈍くなるため、破壊されても見た目も感覚的にも自覚症状が出にくくなります。また、出血もしにくくなります。これが「喫煙が歯周病を隠す」といわれている理由です。最終的にはこれら煙草によって悪化した部分は細菌から体を防御する免疫機能の低下を招き、歯周病菌の活動を促進してしまうのです。その他、タールが歯に付着すると、その部分のプラークの吸着力が高くなるというデータもあります。喫煙は喉頭癌、肺癌、脳血管障害などのリスクファクターであるといわれています。いずれの病気も肉体の免疫力を下げてしまいます。歯周病が感染症である以上、これによるリスクはドンドン高くなっていくのです。受動喫煙についても触れなければいけません。喫煙者本人にも大変な影響が出ていますが、その周囲、例えば家族にも有害な影響が現れてきます。煙草を吸わないときに出る副流煙は、タールは主流煙の3倍、アンモニアは46倍と、非常に毒性の高いものです。これら有害物質が家族の口腔に作用して、悪影響を与えることになります。

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